光学薄膜研究会 The Optical Thin-Film Science and Engineering group 

研究会報告reports


2019年度 第4回研究会内容(参加者:1日目:60名 2日目:52名 懇親会 54名)


1.研究会
  日時  :2020年1月24日(金)-25日(土) 1泊2日
  場所  :ロワージホテル豊橋(愛知県)
  開催時刻: 1月24日 13:00~17:30
        1月25日  9:30~15:00

2.懇親会
  日時  :2020年1月24(金)
  場所  :ロワージホテル豊橋
  開催時刻:13:15~17:00

3.光学薄膜特別セミナー
  日時  :2020年1月25(土)
  場所  :ロワージホテル豊橋
  開催時刻:13:00~15:00
  題目  :「光学薄膜のレーザー機器への応用-Kaiser & Pulker 編著
       「薄膜干渉コーティング;「応用編」に沿って」
  講師  :神戸芸術工科大学 名誉教授 小倉繁太郎氏

4.研究会プログラム

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【講演内容(初日)】

研究会代表 室谷教授ご挨拶13:00~13:05

① 『Optical Gauge による薄膜計測と実例紹介』13:05~13:50
  
浜松ホトニクス株式会社
   システム事業部 システム設計部 第8部門 大塚賢一様


Optical Gauge シリーズは長年培ってきた分光技術を礎に開発された高精度厚
み測定装置です。ナノからマイクロオーダーまで幅広い厚みをターゲットとし、
スタンドアローンからインライン組込みまで様々な用途で使用可能です。Optical
Gauge でしかできない測定技術を実例とともにご紹介いたします。


② 『カラーユニバーサルデザイン支援用ツールの開発』13:50~14:35
伊藤光学工業株式会社 技術部 マネージャー 小田博文様
伊藤光学で商品化しているカラーユニバーサルデザイン用ツールの開発経緯
と概要を紹介する。
●色弱模擬フィルタ「バリアントール」
●カラーユニバーサルデザイン支援ツール「イーガ」
●高齢者水晶体模擬メガネ「シニアビュー」


③ 『専用対物レンズを搭載した3D測定レーザー顕微鏡』14:35~15:20
オリンパス株式会社 産業機器営業 牛丸元春様

レーザー顕微鏡は、数十nm レベルの凹凸の測定や非接触の面粗さ測定機として
様々な業界で使用されます。弊社では世界で初めてレーザー波長にチューニン
グした対物レンズを開発しました。
本講演では、専用対物レンズが、測定の信頼性にどのように寄与しているかを説
明するとともに、非接触の3 次元粗さ測定機の最新動向についても紹介します。


------------------------- 休憩 15 分間 -------------------------------

④ 『透明導電膜におけるキャリア輸送自在制御の現状と課題』15:35~17:05
高知県公立大学法人 高知工科大学 大学院工学研究科/総合研究所
マテリアルズデザインセンター センター長 山本哲也 教授

本講演では、低温薄膜成長・低基板ダメージ・高速成膜・大面積薄膜成長を可能
とさせる金属酸化物薄膜成膜装置の研究をここ20年間継続してきたその背景を
基にして、透明導電膜におけるキャリア輸送自在制御の現状と課題について成果
と共に今後の方向性について議論する。基板は、これまで金属酸化物とは異種の
材質からなるガラス基板やポリマー基板などを選び、単結晶基板とは異なる視点
から成長プロセスを検討してきた。透明導電膜基材は酸化亜鉛及び酸化インジウ
ムに焦点をあて、最近では高いキャリア輸送と高い光学透過率 を実現すべく薄
膜初期成長機構に関し、2次元検出器やX線反射法などを用いて解析を進めてい
る。と同時に酸素負イオン 生成・照射を可能とさせる新規な技術を開発するこ
とで酸素関連の点欠陥の設計的制御を目指している。これらを踏まえ、研究現状
と今後の方向性を議論したい。


⑤ 『株式会社トヨテック様 会社紹介』12:05~12:15
   ジュコー工場 副工場長 宮道孝男様

⑥ 『興和光学株式会社様 会社紹介』12:15~12:25

⑦ 『事務局からご案内』12:25~12:30

【講演内容(第2日目)】

研究会代表 室谷教授ご挨拶9:30~9:35

⑧ 『ゾル-ゲル法による表面高機能化技術』9:35~11:05
豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 松田厚範 教授
「ゾル-ゲル法」は、ガラス、セラミックス、無機有機ハイブリッド、あるいはナノ
コンポジットを液相から合成する優れた方法です。本方法によれば、バルク体、メン
ブレイン、ファイバ、コーティング薄膜あるいは微粒子など、種々の形状の機能性材
料を作製することができます。特に、薄膜は基板の表面高機能化技術として実用性も
高く注目されています。
本講演では、「ゾル-ゲル法による表面高機能化技術」と題して、ゾル-ゲル法の
基礎と材料選択、合成法、物性制御、応用展開、研究動向について解説いたします。
特に、我々の研究成果から、撥水、親水コーティング、マイクロ・ナノパターニング、
マイクロオプティクスデバイスの試作、ホログラム記録材料への応用、さらに相分離
型マルチフェロイック材料の作製について詳しく紹介します。


⑨ 『Recent Progress in Ion Beam Figuring Technology』11:05~11:50
ビューラー株式会社
Head of Technology & Business Development, Center of Competence Tech parts Leipzig
Mr. Steffen Guertler
※本講演は英語ですが、要所要所で日本語の解説をしていただけます。

------------------------- 昼食 70分間 ------------------------------

2.研究会主催光学薄膜特別セミナー(13:00~15:00)
・受付 : 12:30~13:00
・題目 :「光学薄膜のレーザー機器への応用-Kaiser & Pulker 編著
「薄膜干渉コーティング;「応用編」に沿って」
・講師 : 神戸芸術工科大学 名誉教授 小倉繁太郎氏
・部屋 :
・定員 : 約 30名 (先着順)
・対象者:事前申込による希望者のみ
・参加費:会員:3,000円/人 非会員:3,000円/人
・概要

   2019年1 月出版した上記「基礎編」は、従来の光学薄膜について特にレーザ
  ー応用分野で必要な最低限の事項について触れた。現在当該業界の趨勢は、原著が出
  版された2003 年当時と比べ、新規素子の基礎的検討に拍車がかかり、一層の具体的
  な検討が急激に進展している。その際、応用側からの要求は従来の見込みないし1 個
  でも可能であれば良しというレベルから、確実かつ大量に製造が求められる段階に
  移行した。要求される仕様を満たす薄膜設計が精妙になるとともに、その素子の製造
  も設計に劣らず技術者の知恵と従来の技術的蓄積を発揮し尽くしても可能か否かの
  心躍る状況に晒されている。レーザー光の応用素子として、従来の電子素子とのドッ
  キングした各種光素子、大面積の電子機器のスクリーンと人間の視覚とのインター
  フェイスとしての各種ディスプレイ用素子、軟X 線/VUV/DUV/UV 波長域にわたる各種
  新規光源・極短パルス光応用技術に向けて要請される光学薄膜の特性などについて
  記述された本書「応用編」に沿って、何が光学薄膜に要請されているかについて触
  れる。


 光学薄膜研究会 事務局

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神奈川県平塚市北金目 4-1-1
 東海大学 工学部
  光・画像工学科
  室谷研究室内
   光学薄膜研究会

 
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